降りそそぐもの

 白が舞い降りてきた。
 はらはらと止め処なく、しきりに肌に吸いつくように降りそそぐ。

 私は空を見上げた。

 残酷なまでに美しく、痺れるように酔わせる白。
 そのはかなき色をこぼし続ける蒼穹が、次第に遠ざかる。
 白はすべてを還す終焉の色。

 その無垢な色に染められながら、私は永き眠りについた――

「ねえ、どうして溶けちゃったの?」
 幼い弟は、不思議そうに白い塊を覗き込む。
 兄は手についた小さい粒を払い落としながら、弟を振り返った。
「なめくじは塩に弱いんだよ」

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