「相棒に捧ぐ」

写真の中の笑顔に向けて、俺は呟いた。

「いい奴ほど先に行くって言うからな……」

あいつとは初めてプロジェクトを手掛けて以来、ずっとコンビを組んできた。
議論が白熱して掴み合いになったことも、酔い潰れたあいつを引きずって帰ったことも、今は走馬灯のように甦る。
だが、もう感傷に浸るのはやめよう。俺はそっと花を手向けた。

「長い別れになるな……相棒」

すると、鋭い声が返ってきた。

「ただの転勤で人を殺すな、馬鹿！」

エイプリルフールは、通用しなかったらしい。