[終わりなき旅]

そうしてぐったりとしつつも、帰りの時は迫ってくる。空港に移動してから昼を摂る余裕もなさそうなので、ハウステンボス内で腹ごしらえしなければなりません。
ようやく胃の蠕動も収まってきたため、取り敢えず手頃な軽食をやっている店に入りました。あまり重い食事をする気には到底なれず、北見はミックスサンドを注文。そして、はっと気づきました。
ここも載せられてくるトレイはプラスチック! そしてセルフサービスの水と、半透明なプラスチックのコップ……。昨晩と同じく、またしても学食もどきの店に迷い込んでしまったのです。
……お世辞にもおいしいとは言えない水。半分以上氷は溶け、その生ぬるさがさらに水道管の味わいを深いものにしています。たとえ多少ましになったとはいえ、気分のすぐれない胃にサンドイッチと水道水を流し込む。もうこれは苦痛としか言いようがありません。いったい自分が何をしたというのでしょう。ハンスを見殺しにしたのがいけないとでも言うつもりなんでしょうか。

そしていよいよ出国です。余ったフィルムを終わらせるため、バシャバシャとどうでもいい写真を撮りまくり、我々は出国ゲートへ向かいました。
さらば、ハウステンボス。異国めいた迷宮の街よ。(やはり迷いまくった)

▲こんな写真
(この中に通行人を装ったRがいるぞ!)

ハウステンボス発のバスに乗り、一路長崎空港へ。
――バス!?
そう、高速バス。すっかり失念していましたが、これもまた乗り物です。

(――しまったあ!!)

……ハンスの呪いはまだ続く。1時間以上も高速バスで、しかも後方の席でぐらぐらと揺られつづけました。気を紛らわそうかとウォークマンを聴いてみたって何の役にも立ちゃあしません。
それでも何とか正気を保ったまま長崎空港に到着。
往路ではチェックインが少しばかり遅かったためにあまり良い席が取れませんでした。同じ轍を踏むまいと、今度は早めのチェックイン。これで前方の窓側席を確保。あとは待合室で搭乗時間を待つばかりです。
そうして電光掲示板(という呼び方で良いのか?)を見上げると――

―――!?

なんと、乗る予定の飛行機の到着が遅れているため、当然のこと出発も遅くなるというのです。せっかく早めに来たというのに!
いや、それよりも。
北見は帰りの特急あずさの指定券をJ○Bで一緒にお願いしていたので、乗り遅れたら無駄になってしまうではありませんか。何をしている、JA△!!
……しかし今度は天候不順のため、さらに出発が遅れるなどとのたまう。
何という前途多難。長崎よ、そんなに別れが辛いのか。頼むからオイラを引き止めないでくれ。
嗚呼、我々の旅はまだ終わらない。

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